板金の豆知識
屋根について
- Q.
- わが家は純日本家屋なので、やっぱり瓦屋根にしたいのですが、地震も心配・・・。
何かいい方法はありませんか?
- A.
- 近年の新潟県中越沖地震をはじめ、大規模地震で倒壊した家屋の多くは瓦屋根ではなかったでしょうか。
瓦屋根はその重さゆえ風に強い事と、昔は火災時の延焼を防ぐと言ったメリットがあります。
反面、その重さが地震に弱いなどのデメリットになっています。
最近はいろいろなタイプの瓦風金属屋根がありますので、純日本家屋でも十分マッチします。
現在、さまざまなデザインやカラーバリエーションがあります。
軽量な金属屋根で屋根重量のダイエットをおすすめします。
(豆知識)
由緒ある神社建築などを観ればお判りのように、本来の日本建築の屋根は金属葺きです。
しかし、銅葺きの高価な金属屋根しかなかった時代には、
一般大衆の家は板葺きや茅葺、藁葺きなど、火災に弱い屋根材ばかりでした。
金属葺きに手が出なかったわけですね。
その後、火に強い瓦が中国大陸から伝わりました。
中国経由で伝わった仏教寺院や金属屋根に手が出ない一般の建物を中心に、
中国由来の瓦が全国に普及し、日本の一般住宅の耐火性が向上したのです。
20世紀には製鉄業が発展し、銅板の何十分の一の安値で金属葺きが可能になりました。
しかし、金属屋根を「ローコスト」に位置付けたために、安価な金属板が使われ、
安かろう悪かろうの薄くて塗装も不完全なカラー鉄板が多用されたのです。
その結果、10年で錆が出る屋根や、15年ごとの塗装をしなければいけない屋根が普及し、
金属葺き=安普請との見方が定着しました。
20世紀後半には鉄板の焼き付け塗装技術も向上し、
またアメリカのベスレヘム・スチール社がアルミに亜鉛メッキを施して耐久性を向上させた
”ガルバリューム鋼板”を発明し、日本でもガルバリューム鋼板が生産されるようになると、
金属葺きでありながらカラー鉄板よりも耐候性が向上し、高級感もあり、
いよいよ金属葺きが高品質家庭に普及することになりました。
外壁について
- Q.
- 最近、雨が降るときれいになる外壁の話を耳にしますが、どういうことですか?
- A.
- カラーガルバリウム鋼板の種類の中で塗膜表面は親水化特性を有し、
雨水自体が汚れを洗い流してしまうことで雨すじの局部汚れの発生を大幅に低減するものがあります。
(雨水自浄性)
------メーカーの説明文より引用------
黒色汚染物の主成分であるカーボンに対する耐汚染性に優れています。
・塗膜表面は親水化特性を有し、雨水自体が汚れを洗い流してしまうことで
雨すじの局部汚れの発生を大幅に低減します。(雨水自浄性)
・汚れの固着、浸透が防止されるため、簡単に汚れが拭き取れます。
・酸性雨に対する耐久性が優れています。
雨樋について
- Q.
- 雨樋が壊れてしまいました。
あまり危険性はなさそうなので、そのままにしておこうかと思っているのですが、大丈夫でしょうか?
- A.
- 雨樋が壊れても、そのままにしておく方が多いようですね。
雨樋が壊れると、水もれが発生しやすくなります。
そのままにしておくと、外壁や土台が腐る原因になりますので、
やはり修理をされたほうがよいでしょう。
最近は、塩ビ・ガルバリウム・ステンレス・銅など材質も多彩になり、
また形状も昔からある半円型(半丸)だけでなく色々あります。
また、壊れていなくても、落ち葉などで雨樋が詰まってしまうと、
屋根に水が溜まってしまいますので、雨樋の定期的なお掃除や落ち葉除けのネットの取り付けをおすすめします。
- Q.
- 雨樋が一部破損しているのですが自分で修理できますか?
あまり危険性はなさそうなので、そのままにしておこうかと思っているのですが、大丈夫でしょうか?
- A.
- 最近はホームセンター等で簡単に雨樋の部品を探して購入することができます。
梯子など使わずに手で届く範囲の修理なら雨樋のメーカーと品番を控えて、
ホームセンター等で部品の購入して修理をすることも出来ます。
しかし高所作業を必要とする修理はおすすめできません。
高所作業は落下事故や怪我の原因になります。高所作業をする際は十分気をつけて
複数人で作業することをおすすめします。
- Q.
- 雨樋の工事はどれくらいの期間で終わりますか?
- A.
- 工事の内容にもよりますが、ちょっとした補修・修理ならば半日、
1軒全部の場合は2~3日くらいあれば雨樋の工事は完了します。
- Q.
- 雨樋の工事は足場が必要なの?
- A.
- 必ず必要ということはありません。
雨樋の工事の場合は、基本的には足場は組まず、梯子や脚立で工事いたします。
屋根の形状や勾配・隣接の建物との距離などで足場をかけなければいけない場合もありますので、まずはご相談下さい。
- Q.
- 雨樋のメンテナンスの時期って?
- A.
- 雨樋取り付け後、5年~10年くらいで1回点検をされたほうがいいと思われます。
普段目に付かない雨樋ですが一度全体を遠くから眺めてみてください。
毎年、様々な気候から建物を守っている「雨樋」ですが、雪に押されて変形したり、
毎日の日差しで日焼け(風化)したり、ひょっとするとジョイントなどが割れてたりしている事があります。
- Q.
- 雨樋は塗装した方がいいのですか?
- A.
- 外観的な事をお考えであれば塗装してみてはいかがでしょうか。
ただし、現在の硬質塩化ビニール製の雨樋は塗装したからといって雨樋の耐久性が増すことはありません。
板金製(カラー板金等)の雨樋は定期的に塗装することはおすすめしております。
- Q.
- 雨樋の種類はどんなものがあるのですか?
- A.
- 一般住宅に多く使われるのが「硬質塩化ビニール製」の雨樋です。
「硬質塩化ビニール製」雨樋の中にスチールを埋め込んだ「アイアン」という商品もあります。
その他、ステンレス製・銅製・ガルバリウム鋼板・アルミ製の雨樋があります。
また、形状も半月型・角型などメーカーによっても違いますが、色々あります。
- Q.
- 雨樋の色はどんな色がありますか?
- A.
- 各メーカーによりますが基本的な塩化ビニール製ですと
茶色・黒・グレー・ホワイトなら各メーカーで取り扱っています。
少し変わった色ですとメタリック調やベージュもあります。
板金の雨樋も同じ様に多様色の商品があります。
- Q.
- 雨樋の一部分の交換工事はできますか?
- A.
- 部分的な交換も工事可能です。
現在メーカーで取り扱っている現行の商品であれば一部の交換工事はできますが、
生産中止品に関しましては工事ができませんので一度お問い合わせいただければと思います。